この日、表彰式とスケッチ講習会を終えたばかりの受賞者の皆さんに、表彰式や講習会の感想、今回受賞したことで将来に対する考え方に変化があったかなど、今の気持ちを率直に聞いてみました。講習会で得られたことも、作品への取組み方も人それぞれ。これから応募される皆さんの参考になるアドバイスもきっとあるはず!
「!ネットで見たことある人・・」「ついに大賞・・」「リアルな授賞式はやっぱり嬉しい」「去年は佳作にも入れなかったのに・・」それぞれの感慨深さが交錯する授賞式。
「プロの仕事を目の当たりにして、やりたかったことが出来るようになるワクワク感。自分の作品を詳しいところまで見てくれて、想像を超えた魅力を引き出してくれたのが嬉しい。」
「この道を進んでもいいんだ、という自信につながった。」「作品作りを通して、クルマって面白い、と思うきっかけになった。」
■藤木 真優さん【審査員特別賞受賞】高校2年
いかにシンプルに、印象に残るデザインに出来るかを悩んだという藤木さん。
今回の作品は、友達とプラネタリウムに訪れた際、そのあまりの非日常的な体験に心身共に癒されたことをもとに、忙しい現代人にとってわずかな移動時間でも心身をいたわることができれば、より豊かな生活がおくれるようになるのではという思いを込めた。
じっとしているより、行動することでアイディアが生まれるという藤木さん。この作品もそうして生み出された。
寒河江 美晴さん【ダビンチ賞 高校生の部】高校2年
色々な視点で客観的に自分の作品を見るのが大事だという寒河江さん。日頃から、作品を親や友人に見せて意見を聞くという。
今回の作品は、車椅子の人が段差や階段で困っている場面に遭遇したことがヒント。座面が水平な状態のまま、スムーズに段差を乗り越えられる仕組みを考えるのが一番大変だった。子供でも大人でも高齢者でも障害があっても、誰もが同じ目線で物事を見られるようになればもっと楽しい社会になるのでは、という思いを込めた。今ハマっているのはデジタル画。
「皆、気づいたら絵を描いていた。クルマや乗り物も好きだから、その好きを絵で表現してきた人。描けば描くほど褒められてどんどん描き続けてきた人。」
峯岸 季市さん【審査員特別賞】高校2年
普段から自動車やバイクのことを考えている瞬間に最も楽しさを感じるという峯岸さん。応募の動機は、なりたい職業である自動車やバイクのプロダクトデザイナーに繋がる体験ができると思ったから。今回の作品は、気軽に乗れるモビリティがあったらいいな、というところからスタート。具体的なアイディア出しに苦労したが、コンセプトに即した言葉の連想や周囲へ意見を求めたことで解決。自動車やバイクが好きな思いを発展させ、モビリティを使う人の想いを想定することで楽しみながら制作。趣味は自転車いじり。
「自分が楽しいと思えるもの、描きたいと思うものを描いた方がいい。」「アイディアを出す時は、極力ネットは使わない方がいい」「じっとしてるより、行動する方がアイディアが出やすい」「これだけは変えない、ブレない根底を決めておく」「色々な視点から作品を見ることは、自分を客観視すること」
鵜殿 正基さん【モビリティデザイン賞 高校生の部】高校2年
中1から毎年応募し、今回の受賞3回目で初めてリアルな表彰式とスケッチ講習会に参加できた鵜殿さん。
今回の作品は、位置情報ゲームのような日常生活+ゲーム的な楽しみ方が普及している中、クルマ+ゲームも出来るのではないかと考えてみたという。これまでの作品にも共通しているが、クルマの運転が楽しいものだと、より多くの人に知ってもらいたいとの想いで作品をつくる。その心は?と思った方は是非直上の本文を読んでもらいたい。趣味は珍しい車について調べること、ゲーム。
小路 裕紀さん【モビリティデザイン賞 中学生の部】中学2年
将来カーデザイナーになることが夢で、その夢に少しでも近づくために、今できることすべてを作品に込めたという小路さん。
今回の作品は、農村部に移住した若い人たちが田舎暮らしを楽しめる乗り物だが、自分の従兄や祖父母の暮らす自然豊かな地域の生活を参考にして、家族との生活や環境問題を取り上げた。田舎には美しい自然を始め、その不便さを補って余りある魅力があり、また不便さそのものにも楽しめる価値があると考えた。ハマっているのは車のデザインを考えてスケッチに描くこと。音楽や自転車も。
山口 レオン 剛史さん【モビリティデザイン大賞】中学3年
アイディアを出す時にはネットを極力見ないようにしているという山口さん。自分のアイディアが出にくくなるからという。
今回の作品も、日頃から身の回りの問題にアンテナを張っている中から出てきたアイディア。家族がゴミ出しの日時・天候に悩まされていたからという。そしてそれが自分だけでなく他の人や社会にも役立つものかを考え発展させる。このクルマの透明な集積箱を見てゴミを減らそうという意識が少しでも高まってほしい、という思いを込めた。最近はファッションにも興味がある。