第6回カーデザインコンテストの受賞作品一覧

作品名「癒バス」

岩片　智さん(東京都立工芸高等学校1年)

【講評】日本古来の畳が似合うスクエアな内装デザインと、移り変わる景色を絵画としてとらえ、窓枠を額縁に見立てるという発想が面白い。外観は一見デザインしていないようにも見える割り切ったスクエアな造形ですが、一番の特徴である正面の窓を大きく大胆に配置し、それに対比するようなサイドの窓とボディの比率がとてもスマートでかっこいいと思います。このバランスによって正面の窓がさらに引き立てられ、デザインの特徴が上手くスケッチに表現されています。未来の移動が楽しくなる魅力的な提案です。

作品名「air（エアー）」

沖林　和幸さん(神戸市立広陵中学校3年)

【講評】複雑なメカニズムをパーソナルモビリティのコンパクトな車体にまとめ上げることで、メカのレイアウトが全体のスタイリングに現れている好例です。実際に車体を浮かせるための具体的な提案としてターボファンエンジンの構造を図解で示している。これはメカの仕組みや役割、使う材料の特性なども理解してデザインをすることが常に求められる工業デザイナーの仕事そのものだと思います。どのような乗り味になるのか？ぜひ乗ってみたくなるワクワクするデザイン提案で、まさに「１０年後の暮らしを楽しくするクルマのデザイン」です。

作品名「Smart7」

高木　海斗さん(熊本県立大津高等学校2年)

【講評】ドライビングを楽しむスポーツカーでありながら、都市部の駐車場事情を考え“くるまを小さく折りたたむ”という大胆な発想です。アシストモーターを使った折りたたみ機構など折りたたむことを一生懸命に考えたアイデアが絵に具現化されています。外観のイメージからそのクルマがどういうくるまなのか？を伝えるのもデザイナーの仕事で、それも良く表現されています。ローアングルからの迫力あるクオータービューによって車高を高く見せ、タイヤパターンを描き込むことで、オフロード走行をイメージさせるスケッチになっている。たたまれた状態のデザインもネーミングと同じくスマートならさらに良い提案になるでしょう。

作品名「未来の消防車」

三浦　萌さん(神戸市立広陵中学校2年)

【講評】ビルや住宅が密集した都市部や山間部などの危険な火災現場を想定し、一輪車とドローンの機動性を生かした消火効率の向上と危険な火災現場に消防隊員を送り込まずに技術で解決したいという発想がとても良い提案だと思います。さらに、各一輪車をホースで繋げて行くなどアイデアの工夫が見られます。同じくドローンへの消化液の供給方法や消防車そのもののデザインにも一工夫があるとさらに素晴らしい提案に繋がったと思います。

作品名「SKETCH」

鈴木　優里香さん(女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】くるまをスケッチブックに見立て、気分によってボディーカラーを変えたいというアイデアが絵に分かりやすく表現されています。このアイデアは企業の宣伝カーや営業車にも応用できそうです。絵が苦手な人へのカメレオン機能や巨匠機能などワクワク楽しくなる提案がたくさん盛り込まれた作品で、それらの楽しさがイラストによってさらに魅力的に表現されています。
親しみを持てる可愛らしい外観デザインは、クルマの新しい楽しさの価値を表現した魅力的な提案です。