第11回モビリティデザインコンテストの受賞作品一覧

作品名「MLO（ムロ）」

菅﨑瑞希さん（岡山県立岡山一宮高等学校2年）

【講評】人を運ぶのではなく、物を運ばせるという発想が斬新で面白いモビリティです。中心の荷台は四方どこからでも荷物を載せることができる円筒状のデザインで、荷台の回転や低い車高など使い勝手をよく考えられています。その荷台を強調するような駆動部とフレームと相まって、荷物が主役という魅せ方が上手いデザインに仕上げています。
菅﨑さんはこの絵に表れているように、ユーザの視点で街中でどのように使えば良いのか、考え抜かれたのだと思います。発想が面白いだけでなく、こんなモビリティがあったら街が楽しくなりそう、人はもっと幸せになりそう、これは実現したい、実現できそうというレベルにまとまっています。
カーデザインからモビリティデザインに変わった節目に相応しい作品です。

作品名「MOBAR」

加藤凛さん（三重県四日市市立三滝中学校2年）

【講評】自動運転中に何ができるのか、何をさせるのかは次世代のモビリティ社会にとって重要です。移動するバーという発想は審査するデザイナーに大いに刺激を与えました。スクウェアなタイヤも刺激を与えました。スクウェアが面白いというだけでなく、バーという静寂が求められる空間だからこそこのタイヤと考えると、なるほどと思わせた点も好評価です。居住空間を最大限に確保するスクウェアなフォルム、スクウェアなロゴ、スクウェアをポイントにまとめている魅せ方も見事です。形の捉え方、描き方など高いスケッチ力もあり、動くバーを魅力的に伝えられている作品だと思います。

作品名「ZERS」

増田朔山さん（横浜市立横浜商業高校３年）

【講評】都市農業を見据え、若者に農業に興味を持ってもらうべく、農業用とは思えないスタイリッシュなモビリティとなっている作品に、審査するデザイナーは皆驚かされました。陰影のつけ方、パースの捉え方など、高いスケッチ力もあって、これだったら若者は農業に従事したいと思うだろうなと感じさせるデザインとなっています。カスタマージャーニーマップで考えている点も素晴らしく、パネルへのまとめ方もセンスを感じさせます。

作品名「CONVEYING TOWN」

山口レオン剛史さん（東山中学校2年）

【講評】モビリティデザインというテーマに対して動く街を提案していただいたスケールの大きな作品です。街中に張り巡らされた動く道路のおかげで、人は身体１つで気軽に出かけることができます。物流も同様に動くため、宅配業者に依頼するといった手間も必要なく、この街にモビリティが入ってくることはありません。社会インフラを大きく変え、交通事故のない、安心安全な社会を実現する、ダビンチ賞に相応しい壮大な発想の作品です。

作品名「CV:TOL」

浜名克聡さん（神奈川県立湘南高等学校2年）

【講評】2021年コンテストに引き続き、今回もメカ愛を感じさせる人命救助の作品を提案していただきました。救急車でけでなく飛行機までと盛りだくさんの内容で、駆動部、放熱部など、あいかわらず、細かい部分にまで丁寧に描き込まれています。感心の一言です。

作品名「ON-boo」

宇野暁斗さん（奈良工業高等専門学校3年）

【講評】医療現場における車椅子の新しい形を提案していただきました。名前のごとく、おんぶのような形で移動するという発想が面白い車椅子です。ベッドからの乗り移り、階段の移動など、おんぶならではの安心感のある乗り方を考えられており、また、ＡＩによるサポートやインターフェースデザインも考えられています。看護師など人手不足が懸念される中、このように安心できるモビリティであれば医療現場の助けになることが期待できる作品です。